現在位置:ホームの中の研究テーマの中のWeb APIを用いた音声読み上げシステム

研究テーマ

Web APIを用いた音声読み上げシステム

近年,インターネットのさらなる普及に伴い,Webのユーザ数は年々増加傾向にある.2009年3月31日の時点で世界のインターネット人口は16億人に近い15億9600万人となり,世界人口の23.8%まで達している.そのため,障害者にとっても,Webは重要な情報源になりつつあり,Webの創始者でWebの標準団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)のディレクタでもあるTim Berners-Leeも,“Webのパワーは,そのユニバーサリティにある.障害の有無に関係なく,全ての人がアクセスできることこそがWebの本質なのだ.”と述べており,障害者を含めた誰もがWebを利用できることの重要性を強調している.

そして,インターネット上に存在するWebサイトの数は2009年7月の時点で2億3900万を超えるまでとなり,クリエイティブなWebサイトも急速に発展してきた.現在,日本のWeb業界に就労している人口は,10万とも15万人とも言われているが,多くのWebデザイナやクリエイタが携わるのが,クリエイティブな分野であり,この数年間で急成長を遂げたが,Web製作において,いまだ未整備な部分があり,デザインスキルやガイドラインにもばらつきがある.

W3Cが策定したWeb製作者がアクセシビリティ向上のために配慮すべき点をまとめたガイドラインであるWeb Content Accessibility Guidelines(WCAG) 1.0 が1999年5月に発表され,日本でもこのWCAG 1.0を元に企業のガイドラインが定められたり,2004年6月にはJIS X 8341-3 としてWeb製作者が配慮すべきガイドラインが工業規格として刊行された.しかし,WCAG 1.0にはいくつかの欠点が認められ,この改訂版であるWCAG 2.0 が2008年12月に勧告となった.そして,このWCAG 2.0が勧告されたことにより,2009年1月22日にJIS X 8341-3の改正原案が刊行され,JIS X 8341-3が2010年6月までに改定予定という動きとともに,Webアクセシビリティにより注目が集まってきている.

このようにWeb製作者に向けたガイドラインは整備されてきたが,Webアクセシビリティに配慮されたWebサイトはまだまだ数が少ない.また,ガイドラインに沿って製作するだけで利用者側でコンテンツがどのように読み上げられるか分からないことや,多くのWeb製作会社やWeb製作者が音声ブラウザやスクリーンリーダに触れたこともないことや所持していないことも問題点として挙げられる.

本研究は,Web音声配信用のWeb APIを用いることにより,WindowsやMac等のOS,また,Internet Explorer,Firefox,Safari等のブラウザ等のシステム環境に依存することのない,音声読み上げシステムを構築した.

本システムでは,読み上げを行いたいサイトのURLをブラウザ上にある入力フォームに入力すると,そのサイトの情報が文字列で表示され,読み上げられる内容が視覚的にも確認することもできる.さらに読み上げられた音声がストリーム配信されるという誰にでも使いやすいシステムである.